「運動したいけれど、膝の痛みや違和感が気になる」という人もいるでしょう。

膝の症状にはさまざまな原因があり、筋力低下や運動不足だけが原因とは限りません。記事だけで原因を特定せず、まず運動してよい状態かを確認することから始めましょう。

① 運動する前に確認したいサイン

次のような強い症状がある場合は、ウォーキングやスクワットを始めず、できるだけ早く医療機関へ相談してください。

  • 転倒、衝突、ひねったなどの外傷後に強く痛む
  • 膝に体重をかけられない、または歩けない
  • 膝を十分に曲げ伸ばしできない
  • 膝が急に大きく腫れた、または形が明らかに変わった
  • 膝がロックして動かない
  • 赤みや熱感があり、発熱や強い体調不良を伴う

痛みや腫れが続く、繰り返す、悪化している場合も、自己流の運動で様子を見続けず、整形外科などへ相談しましょう。

強い痛みや腫れがあるときは、運動より原因の確認が先です。症状だけから自分で病名を決めることもできません。

② 膝がつらくなる理由は一つではない

膝への負担には、筋力や活動量、体重、柔軟性などが関係する場合があります。一方で、次のような原因も考えられます。

  • 転倒やスポーツなどによる外傷
  • 関節や周辺組織の問題
  • 炎症
  • その他の病気

「年齢のせい」「運動不足のせい」と決めつけず、強い症状や長引く症状があるときは医療機関で確認してください。

日本整形外科学会のガイドラインでは、診断された変形性膝関節症に対する運動療法は、疼痛や身体機能、日常生活機能の改善に有用とされています。ただし、原因不明の膝痛に自己流で同じ運動を行うこととは区別が必要です。

③ 年齢だけで原因を決めつけない

年齢を重ねると、筋肉量や活動量などが変わる人もいます。ただし、膝の痛みは20代・30代にも起こり、年齢だけで原因を判断することはできません。

医療的な確認が必要なサインがなく、動いても症状が強くならない場合は、体調に合わせて活動量を保つことを考えます。

④ 痛みを悪化させない運動の考え方

ここからの運動は、強い痛みや腫れ、外傷後の症状がなく、歩行や動作で痛みが強くならない人を想定しています。

🚶 痛みが出ない範囲で歩く

長時間や階段を無理に選ばない

  • 平らで安定した場所を選ぶ
  • 短い距離から様子を見る
  • 痛みが出る階段や坂道は無理に選ばない
  • 歩行で痛みや腫れが増えたら中止する

→ 固定の時間を治療量と考えず、症状が強くならない範囲で調整します。

💪 スクワットは条件を確認

安定した場所で浅い動作から

  • 痛みが出ない範囲で浅く動く
  • 必要なら椅子や手すりにつかまる
  • 痛みや不安定感が出たら中止する
  • 原因不明の強い痛みや外傷直後には行わない

→ 回数を一律に決めず、医療者から個別の指示がある場合はそちらを優先します。

運動中止・調整の目安:運動中や運動後に痛みが明らかに強くなる、腫れが増える、歩きにくくなる、不安定感が強くなる、運動前より悪化した状態が続く場合は、いったん中止するか運動量を減らしてください。症状が続く場合は医療機関へ相談しましょう。

⑤ 運動を続ける目的を整理する

運動は「痩せるため」だけではなく、身体機能や日常生活を保つ目的で取り入れる場合もあります。

  • 無理なく歩ける
  • 日常の動作を続けられる
  • 体力や筋力を保つ

適切な運動が役立つ場合はありますが、痛みを我慢して続ける必要はありません。症状に合わせて調整することを優先しましょう。

⑥ 食事もかなり重要

食事は、体重管理や筋肉を含む体づくりに関わります。ただし、体重を減らしたり、たんぱく質をとったりすれば膝の痛みが治るという意味ではありません。

✔「食べないダイエット」は逆効果になりやすい

サラダだけにする・食事量を極端に減らす・カロリーばかり気にすると、筋肉まで落ちやすくなる場合があります。

結果として、疲れやすい・動きにくい・続かない状態につながることがあります。

極端に食事を減らさず、食事全体のバランスを考えましょう。

✔ たんぱく質補給をラクにするのも大事

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朝食や運動後に食事だけでたんぱく質を補いにくい場合の選択肢です。

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⑦ 治療中・リハビリ中の注意

次に当てはまる人は、この記事の運動より、医師や理学療法士などから受けている個別の指示を優先してください。

  • 整形外科で治療中、またはリハビリ中
  • 膝や脚の手術後
  • 持病などにより運動制限を受けている
  • 転倒リスクがある、または運動について医療者から指示を受けている

自己判断で運動量を増やしたり、処方されたリハビリを別の運動へ置き換えたりしないでください。

⑧ 避けたい運動の進め方

いきなり頑張りすぎる

最初から飛ばしすぎると、痛みや疲労で続かなくなりやすいです。

体重だけを見て焦る

体重だけでなく、痛みや腫れ、歩きやすさなども確認しながら進めます。

痛みや腫れを我慢して続ける

症状が強くなるときは中止または調整し、続く場合は医療機関へ相談します。

⑨ 運動を調整するチェックポイント

運動前後に次の変化がないか確認してください。当てはまる数で運動の可否を決めるものではありません。

🚶 症状の変化を確認
  • 運動中に痛みが明らかに強くなった
  • 運動後に腫れが増えた
  • 運動前より歩きにくくなった
  • 膝の不安定感が強くなった
  • 悪化した状態が続いている

これらがある場合はいったん中止または運動量を減らし、症状が続く場合は医療機関へ相談してください。

⑩ まとめ|「未来の体」のために少しずつ

膝の痛みや違和感にはさまざまな原因があります。運動不足と決めつけず、最初に強い痛み・腫れ・外傷などがないかを確認しましょう。

医療的な確認が必要なサインがなく、運動で症状が強くならない場合は、痛みの出ない範囲から活動量を保つ方法があります。

✅ みおのまとめ

  • 強い症状がある場合は運動より受診を優先
  • 問題がなければ痛みの出ない範囲から
  • 痛みや腫れが増えたら中止・調整
  • 症状が続く、悪化する場合は医療機関へ相談
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参考文献

  1. 日本整形外科学会「変形性膝関節症診療ガイドライン2023」
  2. 日本整形外科学会「変形性膝関節症」
  3. NHS「Knee pain」