「置き換えダイエットをやめたら、必ずリバウンドするの?」と不安になる人もいるでしょう。

置き換え食を使うことだけで、その後の体重変化が決まるわけではありません。研究で分かっている範囲と、安全に考えるためのポイントを整理します。

① ANSWER:置き換え=リバウンドではない

ANSWER

置き換えダイエットだけでリバウンドが決まるわけではありません。一方、置き換え食は減量を保証するものでもありません。

過体重・肥満の成人を対象とした研究では、置き換え食を含む減量介入で、比較した介入より体重減少が大きかった結果も報告されています。ただし、食事介入プログラムとして評価した研究で、支援内容も研究ごとに異なります。特定の市販商品やすべての人の減量効果を保証するものではありません。

長期的な体重管理には、制限の程度、食事全体の栄養構成、続けやすさ、終了後の食生活、身体活動、生活習慣、健康状態など複数の要素が関係します。

② ACTION:始める前に確認したいこと

  • 1極端に食事量を減らす目的で使わない
  • 2何を置き換える商品か、栄養表示と一食分の内容を確認する
  • 3置き換え中だけでなく、終了後も続けられる食生活を考える
  • 4治療中、妊娠中、低体重、食行動に不安がある場合は自己判断より相談を優先する

何食置き換えるか、何kcalにするかを、すべての人に共通するルールとして決めることはできません。健康状態や普段の食事、目的によって適切な方法は異なります。

③ 置き換えダイエットとは?

置き換えダイエットは、普段の食事の一部を、専用食品や飲料などに替える方法の総称です。何を、どのくらい、どの期間置き換えるかは方法によって異なります。

置き換えによって食事全体の摂取エネルギーが変われば、体重変化に関係する可能性があります。ただし、置き換え食品という名称だけでは、その商品が一食分として十分か、本人に適しているかは判断できません。

「置き換え」という方法そのものと、「食事量を大幅に減らすこと」は分けて考えます。

食事を抜くことや、空腹を強く我慢することを置き換えと同じ意味にしないことが大切です。また、食べすぎた翌日の罰や帳尻合わせとして利用する方法も勧めません。

④ 研究では何が分かっている?

1年時点の体重減少を調べた2019年のレビュー

2019年の系統的レビュー・メタ解析は、過体重・肥満の成人を対象とした23件、計7,884人のランダム化比較試験をまとめています。置き換え食を組み込んだ介入では、比較した減量介入より1年時点の体重減少が大きい結果が報告されました。

ただし、このレビューは、非常に低エネルギーの食事と、すべての食事を置き換えるtotal diet replacementを除外しています。支援を含むプログラムとして評価した研究であり、一般的な体格の人や、特定の市販商品へ結果をそのまま当てはめることはできません。

低エネルギー食を比較した2021年のレビュー

2021年の系統的レビュー・メタ解析では、22研究、計1,982人の過体重・肥満者を対象に、置き換え食を用いた低エネルギー食と食品ベースの低エネルギー食が比較されました。全体では置き換え食を用いた群に有利な、小さい効果が報告されています。

研究ごとに置き換える割合、摂取エネルギー、期間、支援内容などが異なります。この結果は「置き換え食品なら何でも痩せる」という意味ではありません。

研究結果は、対象者と介入内容を含めて読みます。市販商品の広告や成分表示だけで、研究と同じ結果が得られるとは判断できません。

⑤ リバウンドを一つの原因で説明しない

この記事では、減量後に体重が再び増えることを「リバウンド」と呼びます。ただし、短期間の体重変動には水分量や食事内容なども関係するため、直後の変化を長期的な体脂肪の増加と同じものとして扱うことはできません。

2022年の系統的レビュー・メタ解析では、栄養介入後の体重維持と再増加について、介入方法や期間、管理栄養士を含む支援、維持期の専門家による相談などとの関係が検討されています。減量後の体重再増加は、一つの方法や本人の意志の弱さだけで説明できるものではありません。

置き換えを終えた後の食事、身体活動、生活リズム、利用できる支援なども含め、長期的に続けられる形を考える必要があります。

代謝だけを原因にしない

減量に伴ってエネルギー消費量が変化することはありますが、体重の再増加を「代謝が落ちて太りやすい体になった」とだけ説明することはできません。

adaptive thermogenesisを扱った2021年の系統的レビューでは、研究方法や対象者による違いが大きく、質の高い研究では変化が小さい、または統計的に明確でない場合があり、体重が安定した後には弱まる、あるいは認められない研究もあると整理されています。

タンパク質だけで結果は決まらない

タンパク質は身体に必要な栄養素ですが、タンパク質を含む商品を選べば筋肉を維持できる、リバウンドを防げる、という意味ではありません。食事全体、摂取量、身体活動、体格や健康状態を含めて考えます。

⑥ 置き換え食品は栄養表示を確認する

置き換え食品には、飲料、スムージー、プロテイン製品、バー、スープなどさまざまな形があります。商品によって次の内容は異なります。

  • エネルギー
  • タンパク質・脂質・炭水化物
  • 食物繊維
  • ビタミン・ミネラル
  • 原材料・アレルゲン
  • 一回量と利用上の注意

プロテイン飲料やスムージーが、必ず通常の一食と同等になるわけではありません。「何を置き換えるための商品か」「ほかの食事で何を食べるか」まで確認しましょう。

疲れやすさ、空腹感、便通などの感覚だけで、特定の栄養素不足や腸内環境の状態を自己判断することもできません。気になる症状が続く場合は、商品を追加する前に相談する選択肢があります。

⑦ 極端な制限を自己流で行わない

NICEの過体重・肥満管理ガイドラインでは、低エネルギー食や超低エネルギー食は、多要素の体重管理戦略の一部として、対象者を限定し、専門的な支援のもとで行うよう示されています。栄養的に完全であること、長期的な方法として用いないこと、通常のバランスの取れた食事へ戻す支援も求めています。

自己流で食事量を大幅に減らしたり、食事を抜く方法を続けたりしないでください。

短期間で結果を出すために摂取量をできるだけ減らす、という考え方にはしません。食事を減らした分だけ早く、確実に体重が減るとも限りません。

⑧ 終了後は続けられる食生活へ移行する

置き換えを終えるときは、「以前と同じ食生活へ戻す」というより、その後も無理なく続けられる食事パターンへ移行すると考えます。

主食・主菜・副菜の組み合わせ、食事量、間食や飲料、生活リズムを振り返り、自分の生活で続けられる形を考えます。置き換えだけで、長期的な食習慣の課題が自動的に解決するわけではありません。

「何日かけて戻す」「胃や代謝を戻す」「回復食が必須」といった固定ルールを、すべての人に当てはめる根拠はありません。専門的な減量プログラムを利用している場合は、担当者の移行計画を優先してください。

⑨ 医療・栄養の専門家へ相談したい場合

次のような場合は、自己判断で置き換えや大幅な食事制限を始める前に、医師や管理栄養士などへ相談してください。

  • 病気の治療中、服薬中、または食事療法を受けている
  • 妊娠中・授乳中、成長期、低体重である
  • 摂食障害の治療中・既往がある、または食事制限と過食を繰り返している
  • 食事や体重への不安が、日常生活に強く影響している

意図しない体重減少、急激な体重変化、強いめまいや失神、十分に食事が取れない状態がある場合も、ダイエット方法を自己調整し続けず、医療機関へ相談しましょう。症状だけから低血糖や栄養不足などを自己診断することはできません。

⑩ まとめ

みおのまとめ

  • 置き換えだけでリバウンドは決まらず、置き換え食が減量を保証するものでもない
  • 研究結果は主に過体重・肥満の成人を対象とした介入で、特定商品の効果保証ではない
  • 極端な食事制限を避け、商品ごとの栄養構成と食事全体を確認する
  • 終了後まで続けられる食生活へ移行する
  • 体重の再増加を意志の弱さだけで説明しない
  • 健康状態や食行動に不安がある場合は、専門家への相談を優先する

参考情報

🍚
糖質制限は痩せる?効果と注意点
糖質だけに注目せず、食事全体と安全面から減量方法を考えます。
›
🍫
甘いものが止まらないのはなぜ?
食事間隔、睡眠、ストレスなど複数の視点から甘いものへの欲求を整理します。
›
🌙
夜に甘いものが食べたくなる理由
夕食後の間食との付き合い方を、決めつけずに整理します。
›
🥛
プロテインは運動しないと太る?
プロテイン飲料を通常の食事と分けて考えるための基礎を確認します。
›