① 健診の判定と診断は同じではない
健診で使われる保健指導の基準や受診勧奨の考え方は、糖尿病の診断そのものではありません。
例えば、厚生労働省の特定健診では、空腹時血糖100mg/dL以上またはHbA1c 5.6%以上などが保健指導判定値として示されています。これは生活習慣を振り返るきっかけとなる基準で、数値だけで糖尿病と決める基準ではありません。
医療機関での診断は、検査の種類、再検査、症状や臨床所見などを組み合わせて行われます。結果票に書かれた判定と案内を先に確認してください。
② 空腹時血糖とHbA1cの見方
空腹時血糖
一定時間食事をしていない状態で採血し、その時点の血糖状態を確認する検査です。採血条件や体調によっても結果の見方が変わるため、結果票に記載された検査名と条件を確認します。
HbA1c
HbA1cは、直近の一定期間における平均的な血糖状態をみるために使われます。ただし、血糖値そのものを測る検査ではありません。
貧血、腎疾患、最近の失血や輸血などがあると、HbA1cの値が実際の血糖状態を正確に反映しない場合があります。HbA1cだけで判断せず、病歴やほかの検査結果と合わせて医療機関で確認します。
③ 診断値は医療機関で判断する
日本糖尿病学会の診療ガイドラインでは、次のいずれかを満たす場合を「糖尿病型」としています。
- 空腹時血糖値 126mg/dL以上
- 75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間値 200mg/dL以上
- 随時血糖値 200mg/dL以上
- HbA1c 6.5%以上
これは自己診断のための一覧ではありません。「糖尿病型」に当てはまる値と、糖尿病の確定診断は同じ意味ではなく、検査の組み合わせや再確認が必要になる場合があります。
健診結果を持参して相談すると、採血条件や過去の値も含めて確認しやすくなります。
④ 数値に関わる要因を一つに決めない
血糖値には、食事内容や量、活動量、睡眠、体調、治療状況など複数の要因が関係します。甘いもの、運動不足、睡眠不足など一つの要因だけを原因と決めつけることはできません。
「野菜から食べれば改善する」「早食いをやめれば下がる」と一つの行動だけで効果を保証することもできません。食事は量・組み合わせ・飲料を含めた全体で考えます。
具体的な食品の選び方は血糖値が気になるときの食品選びで整理しています。
⑤ 目的別に専門記事で確認する
本記事は、健診値の見方と受診行動に集中しています。生活面の具体策は、目的に合う記事で確認してください。
- 食後の眠気が気になる:食後の眠気と血糖変動の考え方
- 食後に歩く方法を知りたい:食後ウォーキングの取り入れ方
- 飲み物を見直したい:血糖値が気になるときの飲み物
- アルロースと治療の関係を確認したい:アルロースと糖尿病の記事
運動は「一定時間行えば必ず数値が改善する」とは限りません。体調や治療内容を確認し、具体的な方法は専門記事や医療専門職の案内を参考にします。
⑥ よくある質問
健診の数値一つだけで糖尿病と自己診断することはできません。結果票の判定と指示を確認し、要受診・要精密検査・再検査などの案内がある場合は、その指示に沿って医療機関で確認してください。
空腹時血糖は採血時点の血糖状態、HbA1cは直近の一定期間の平均的な血糖状態をみる指標で、役割が異なります。HbA1cは貧血、腎疾患、失血や輸血などの影響を受ける場合もあるため、片方だけで判断せず医療機関で確認します。
結果票に受診や再検査の指示がある場合は、生活習慣だけを変えて次の健診まで待たないでください。強い口渇、多尿、意図しない体重減少などがある場合や、妊娠中・治療中・服薬中の場合も、個別の医療相談を優先します。
⑦ みおのまとめ
健診結果を受け取ったあとの確認順
- 数値だけで糖尿病と自己診断しない
- 健診の判定と医療機関での診断を分けて考える
- 空腹時血糖とHbA1cの役割・限界を確認する
- 結果票の受診・再検査の案内を優先する
- 具体的な生活改善は治療状況に合わせて考える
参考情報
健診の判定、糖尿病の診断、HbA1cの解釈は、資料ごとの目的を分けて確認しています。
- 厚生労働省「血糖値が高いといわれたら」(特定健診の判定と受診の考え方)
- 厚生労働省「糖尿病」(糖尿病の概要と生活習慣)
- 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」第1章(糖尿病型と診断手順)
- NIDDK: The A1C Test & Diabetes(HbA1cの役割と解釈に影響する条件)


